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上絵の具による絵付け

絵付けってハードル高くない!?

そんなことないんです!

絵の具の種類

上絵の具、盛り絵の具、イリスなどなど・・・ポーセラーツの絵付けには、いろいろな種類の絵の具があります。
ここでは簡単に特徴などをお伝えしていきます。

上絵の具

一番代表的な絵の具です。 
専用のメディウムで練ることによって完成されます。
他の絵の具と違い、メディウムの種類を変えることにより用途の幅が広がり
大きな範囲のスポンジングから、細かいペンワーク
また、速乾にしてスクラッチしたり、遅乾にしてグラデーションをつけたり…
知れば知るほど奥深い絵の具です。

下地処理がいらないので、当サロンの絵付け教室最初の授業ではこの絵の具を使います。  

盛り絵の具

ぽってりとした感じの出る絵の具です。
(しっかり盛りたいときには、『白盛り』のほうがいいかと思います。)
上絵の具同様、練って使います。
ふんわりした色合いが多く、和柄などに向いているかと思います。

盛り絵の具で、梅の小鉢でも作ったらかわいいだろうなぁ~!と思いつつ着手できずにいます…

イリス

ペースト状になっている上絵の具で、水で薄めて使います。
下地処理が必要になります。
すでにペースト状になっているため、細かいところや細い線なども思ったように描けます。
が…上絵の具に比べ、色の出が薄いように思います。

私は毛並みなどにも『パールホワイト』を混ぜちゃいます。
キラキラしてきれいな仕上がりになります。
しかし、パールを重ねすぎると焼成後に縮んでしまうので、使いすぎに注意!です

セラミックペンシル

色鉛筆のような表現ができます。
下地処理が必要になります。
私は2回目焼成前(1回目の焼成は、下地なし上絵の具での絵付けが主のため)陰影を強くしたりする際に使います。

下絵の具

透明感のある絵の具です。
下地に塗ることによって発色がよくなったり、下描き程度に色分けをしておきたいときに便利です。

絵の具の選び方

広範囲に塗りたいのか?
細かく描き込みたいのか?
スポンジングやステンシルで絵付けをしたいのか?
飾り皿なのか?実用品なのか?

また、混合してはいけない色
焼成温度が違う色
上から塗っても発色しない色
などなど・・・

こうやって書き出すと「やっぱりハードル高いじゃん!!」なんて思いますが…
大丈夫です!!
きっと、どの講師も失敗の中から学んだ成功法を教えてくれるはずです。
まずは、この作品を描いてみたい!と思える講師を見つけて、その門をたたいてみてください。

皆さんそれそれの方法があると思いますが
私が動物を描く場合の絵の具の選び方です。
1回目・・・下処理なし
      周囲を転写紙で彩る
      上絵の具を水溶性メディウムで練る、練った上絵の具をさらに水で薄めて丸ペンに浸し下描きをする
      上絵の具で大まかな色分けをする
      細く白い部分(ひげなど)爪楊枝で削っておく
      約820度焼成
2回目・・・下処理ブラッシングサーフェイサー
      上絵の具(目や鼻など)水溶性メディウム+水
      イリス(細かいところ、毛並みなど)+水
      金彩
      約800度焼成
3回目・・・下処理ブラッシングサーフェイサー
      イリス+水
      金彩
      約780度焼成

つや出しをしたかったら・・・4回目フラッキスをしますが、基本は3回焼成で仕上げます。

メディウムの選び方

早く乾かしたいのか?(スクラッチや次の絵柄を描きたいなど)
遅く乾かしたいのか?(グラデーションやスクラッチしながらのぼかしなど)

大きく分けると
それだけです(笑)

下地の選び方

白無地転写紙・・・セラミックペンシルや水彩風のアートに向いています。ただ…破けやすく局面に貼るのが難しいです。
ブラッシングサーフェイサー・・・描きたい部分だけ塗ることができ、局面でも万遍なく下地処理ができます。厚塗りに注意ですが、初心者向けです。
ペイントサーフェイサー・・・スプレーのりと組み合わせて使います。スプレー式なので、鉛筆やペンで下描きをした時にぴったりです。

ちなみに私は、鉛筆で下地を描いた場合の1回目はペイントサーフェイサー、2回目以降はブラッシングサーフェイサーを使用します。

用具

筆などの用具は一通り揃えており、スクール中は貸出可能です。
少しずつお気に入りの筆など見つけて揃えてください。
もちろんご注文も可能です!
元ネイリストなので・・・ネイルの筆など他では手に入りにくい筆も入手できます!

金彩

金彩は『異物』を嫌います。
用具は専用のものを用意しましょう。
また、セレンレッドやオレンジなどセレン系の色を下地に使うと変色してしまったりします。

金彩は薄くてもダメ、厚塗りもダメ、ふき取りも難しい、組み合わせも難しい。。。
絵付けの中では、一番繊細で気を遣う部門ですが
ここが成功すると作品の質がググぐっと上がります!

焼成

基本的に回数を重ねるごとに焼成温度を下げていきます。
そのため、焼成温度の高い順に絵付けしていきます(転写紙→絵付け→金彩)

時間をかけて大切に作った作品を、生かすも殺すも焼成次第になります。
一番気を遣う作業ですが
窯を開けて作品を取り出す瞬間の高揚感は何ものにも代え難く、窯に火入れをした日はワクワクして眠れません!(笑)

最後に

最後に・・・
それぞれの教室によってそれぞれの手法があり、講師によって大きく異なるのが『絵付け』の部門かと思います。(転写紙部門はどこの教室も似たり寄ったりかな?)
今回紹介した手法はあくまで私が考えるベストです。
先にも述べたように、ぜひお気に入りの作品・お気に入りンおサロン・お気に入りの講師・お気に入りの手法を探してみてください!
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